2015年1月29日木曜日

ひとりごと… Kくんの訃報に寄せて


昔馴染みの友人から突然電話があった(いや、電話というのはいつも突然だけれど)。
彼女は、私が中学生の3年間、なんだかんだでずっと片思いだった男の子が、昨年、病気で亡くなっていたことを知らせてくれたのだった。

中学を卒業してから連絡を取ったことは一度もないから、既に知らない人と言ってもいいのだけれど、それでも、やっぱりすごくショックだ。
今でもときどき「元気でおじさんになっているのかなー」なんて思い出すほどに大好きだった男の子(それはもちろん、少女時代の恋愛とも呼べない片思いだったのだけれど、それでも)であるということと、今、この年齢で死んでしまうということ。
家族はいたのだろうか、もし独身だったとしても、きっと元気でバリバリ働いていたはずだろう。病気になるまでは…

色が黒くて細くて、そんなに目は大きくないけどいつもキラッとしていて、実はまつ毛が長かった。女の子にはぶっきらぼうで無口で、男の子としかつるまなかった。ちょっと鼻の穴が大きめだから「ゴリラっぽい」と言われて女子には全然人気がなかったけど、実はとてもハンサムだった。
なんでもすぐ顔に出てしまう私が、彼のことを好きだと学年中に広まっても、決して私に迷惑そうな顔も、文句も言わなかった。今思えば、かなり迷惑をかけていたはずなんだけど。
私を好きになってくれたことはたぶん3年間で一度もなかったけれど、それでもバレンタインデーに渡した文房具を、学校に持ってきて黙って使ってくれていた。

彼を最後に見かけたのは、私が大学時代にアルバイトしていたセブンイレブンに買い物に来て「頑張ってね」と言ってくれたときだった。
そのときの彼は、中学時代よりもうんとカッコよくなっていて、私は心の中で「ほら!やっぱり私の読みは当たっているじゃないか!全然ゴリラじゃない、かっこいいじゃん!しかも声かけてくれて、優しいじゃん!」と思った。

今でも、自宅まで押しかけてチョコレートを渡した時の、すごく驚いてどんぐりまなこになってた顔を、思い出すことができるよ。
そう、こうやって思い出すことしか、できないけど。
どうか安らかにね、Kくん。










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